あなたが子どもの将来のために躾と思っていることは虐待に準ずることかもしれません。
2025/02/04
結婚も離婚もあなたの幸せのために、ながはまふみこ幸せ相談所です。
認定心理士のカリキュラムの中にも乳幼児・児童心理学もありましたが、面会交流支援の現場にいますと、まだまだ乳幼児について学び続ける必要があると思わされます。
図書館でこの本が目に付きました。ドキッとする題名ですね。
マルトリートメントってご存じですか?
マルトリートメント Mal(悪い)Treatment(扱い)の略語で、WHOでは
身体、精神、性虐待そしてネグレクトを含む児童虐待をより広く捉えた、
虐待とは言い切れない大人から子どもへの発達を阻害する行為全般を含めた
不適切な養育
「不適切な養育」と訳されますが、あまりにも上から目線なので著者の友田明美氏は本の中では「避けたいかかわり」と言っています。
「虐待・ネグレクト」を含むけれど、虐待とは言い切れない「避けたいかかわり」をも包括してマルトリートメントと呼ばれます。
そして、友田氏は近年、身近に感じてもらうように「マルトリ」という言葉を使われています。
2024年6月に発表された合計特殊出生率(2023年)は最低水準の1.20ですが、児童相談所における児童虐待件数は右肩上がりに増え続けている現実があります。
児童虐待は4つに分類されます。
①身体的虐待···殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、火傷を負わせるなど。
②心理的虐待···言葉による脅し、無視、兄弟姉妹間での差別的扱い、 面前DVなど。
③ネグレクト···家に閉じ込める、食事を与えない、不潔にする、車内に放置、診療させない。
④性的虐待···子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る、触らせる、ポルノグラフィの被写体にする、など。
マルトリは、こういう虐待に準ずる「避けたいかかわり」です。
虐待ということばには、自分は関係ない、とおもうかもしれませんが、子どもの脳を傷つける恐れのあるマルトリは、ごく普通の家庭に潜んでいるかもしれません。
例えば、こんなことも身体的マルトリになります。
部屋に閉じ込めて外に出られないようにする。
寒い季節に戸外に締め出す。
反省させるために長時間立たせたり、正座させる。
約束を守らない時に罰として飲食を与えない。
食べ残し禁止のため、「お腹いっぱい」だと言っても無理に食べさせる。
体調不良を訴えても、無理やり学校や塾に行かせる。
不要な検査、投薬、治療を繰り返す。
何か思い当たることはないですか?
でも、みんな子どもを痛めつけようとして、やってるわけじゃないんですよね。
将来自分の子どもが困らないように、躾しているんだ、とか思われてる方がいるかもしれません。
私が一番びっくりしたことは、ハーバード大学のマーチン·タイチャー氏と共に、著者が研究された結果、
身体的マルトリにより
脳の前頭前野が縮む
↓
犯罪抑制力の低下
素行障害
うつ病のリスクを高める
強い攻撃性が現れる
体罰は子どもの脳の発達に深刻な影響があります。
夫婦関係がうまくいかないことで、子どもの教育に一生懸命になり、子どもに影響をあたえていませんか?
何か少しでも、ハッとした方はご相談くださいね。
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